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生命のリレーを探索する

林克彦教授
英文著者 Raymond Kunikane Terhune ? 2022/01/31 ? 动画作成者

生命のリレーを探索する

林克彦教授
英文著者 Raymond Kunikane Terhune
2022/01/31
动画作成者
林克彦
林克彦
教授
医学研究院 応用幹細胞医科学部門
専门分野
発生生物学、生殖生物学、干细胞学

林克彦
林克彦
教授
医学研究院 応用幹細胞医科学部門
専门分野
発生生物学、生殖生物学、干细胞学

学技术の进歩により、かつて厂贵の世界で描かれていたものが、徐々に现実となりつつあります。中でも、最も注目を集めているのは「再生医疗」と、その中心となる役割を果たす「干细胞」でしょう。干细胞の研究は1960年代から行われてきましたが、医学における応用はまだ始まったばかりです。

干细胞の医学への応用が难しい理由は数多くあり、その一つとして、细胞の复雑な内部构造が挙げられます。目の中の光を感知する视细胞から、肌の中にある髪の毛を成长させる毛母细胞まで、私たちの体は固有の机能を持つ様々な细胞の种类から构成されています。ヒトの体は各発达段阶において、合计すると200近い种类の细胞を有しているのです。

これらの细胞はすべて、基本的には1つの受精卵から生まれ、成长、分裂、変化を経てヒトの体を形成します。広义には、干细胞は分化能を持つ特殊化していない细胞のことを言います。干细胞がどのように分化していくのか、その复雑な过程を解き明かすことは、一生の课题という研究者も少なくありません。九州大学大学院医学研究院の林克彦教授は、この难解な领域において、细胞の种类の中でも最もユニークな「生殖细胞」に着目しています。

研究室の顕微镜室での林教授

「大きく分けて、生体细胞は体细胞と生殖细胞に分けられます」と林教授は説明します。「生殖细胞は精子や卵子といった配偶子を生み出します。生殖细胞以外は全て体细胞であり、生殖细胞は极めて特殊な细胞なのです。生殖细胞は有糸分裂と减数分裂によって分裂し、细胞の中で唯一、遗伝情报を运び、新しい生命を创造します」。

林教授は、配偶子がどのようにして作られるのか、つまり配偶子形成の基本的なメカニズムを専门に研究しています。他の细胞と同様に、配偶子も正确に制御された段阶を踏んで作り上げられます。研究者たちはマウスとヒトの细胞のそれぞれの段阶を注意深く観察することで、この不思议な过程を少しずつ明らかにしてきました。

「始原生殖细胞は全ての配偶子の前駆体であり、私たちが最初に注目するものです」と林教授は言います。「私たちは何年にもわたって、各分化の段阶における重要な分子や条件を明らかにしてきました。そして、シャーレ上に同じ状态を再现し、より详しい観察を始めました」。

近年、林教授の研究チームは卵母细胞を発生させる条件を再现し、胚性干细胞(贰厂)、さらには人工多能性干细胞(颈笔厂)から卵细胞を作ることに成功しています。また実験室条件下で、これまでに卵母细胞を生成する细胞と、その卵母细胞が完全に成熟することを可能にする支持细胞の再现へと至っています。

最近の発表より、マウスの胚性干细胞から再现された卵巣の构造何重にもなった支持细胞(赤)と卵胞膜细胞(白)に取り囲まれる卵母细胞(青と緑)

実験室で干细胞から配偶子を作り出せるのであれば、自ずと次の课题となるのは、そのヒトへの応用です。林教授は自らの研究がその可能性を秘めていることを认めつつも、性急な议论には警鐘を鸣らします。

その理由について、こう説明します。「私たちは、まだこの分野をかじり始めただけに过ぎません。解明するべき谜がまだ多く残されており、それらに答えて初めてヒトへの応用について検讨を始めることができるのです。今こそ、この研究の先にある未来の伦理的问题について议论するべき时です」。

この分野を取り巻く环境が前进する中にあって、林教授は生命を生み出す根源的なメカニズムを解明するべく日夜研究に打ち込んでいます。

学生を指导する林教授

「まさに、生命が私たちの遗伝情报を伝えていくのと同様に、我々は研究を通じて得られた知识を后世に伝えていきます」と林教授は结びます。「この分野で私が一つ新たな知见を加えるたびに、自分自身がこの终わりなきリレーの一部分となり、それを次世代の才能豊かな若き研究者たちへと繋いでいく责任を负うのです」。

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