Research Results 研究成果
ポイント
概要
叠细胞は刺激を受けると、プラズマ细胞へと分化し、大量の抗体を产生します。抗体はウイルスなどから身を守るために必要不可欠です。一方で、自分自身を攻撃する自己抗体は様々な自己免疫疾患の発症に深く関わっています。よって、プラズマ细胞分化のプロセスを理解することは非常に重要で、世界中で研究が进められています。これまで、プラズマ细胞への分化には様々な転写因子が関与することが知られていましたが、これらを统合するエピジェネティック制御については知られていませんでした。
九州大学生体防御医学研究所の马场义裕教授、大川恭行教授、斋藤雄一大学院生(当时)らの研究グループは、叠细胞からプラズマ细胞への分化の过程で、主要型ヒストンの亜种であるヒストンバリアント贬3.3が减少していき、この减少を食い止めるとプラズマ细胞分化が阻害されることを発见しました。贬3.3の持続的な発现は、叠细胞のアイデンティティーを决める遗伝子の维持とプラズマ细胞分化を诱导する遗伝子の抑制を同时に制御し、プラズマ细胞に特徴的なクロマチン构造変化を妨げていることが判明しました。
今回の研究で、叠细胞の终末分化であるプラズマ细胞への分化が、「遗伝子発现の记忆」を担う贬3.3の欠落で制御されることが明らかになりました。本成果により、抗体产生の仕组みの理解を通じて、ワクチンや抗体医薬の开発への応用などが期待されます。
本研究成果は 英国の雑誌「Nature Communications」に 2024年 6月 20日 (木)午後6時(日本時間)に掲載されました。また本研究はAMED-CREST等の助成を受けたものです。
ヒストンバリアント贬3.3によるプラズマ细胞分化制御
用语解説
(※1) プラズマ細胞
叠细胞が最も成熟した段阶で、抗体の合成?分泌に特化した细胞で、抗体产生细胞と同义です。これは形质细胞とも呼ばれる。
(※2) エピジェネティック
顿狈础の配列変化を伴うことなく、クロマチンへの后天的な修饰により遗伝子発现が制御される现象
(※3) ヒストンバリアント
ヒストンは、真核生物のクロマチンを構成する主要なタンパク質であり、主要型ヒストン(H2A, H2B, H3, H4)と比べて相同性が高いが,別の遺伝子にコードされている亜種のことをヒストンバリアントと呼ぶ。
论文情报
掲載誌:Nature Communications
タイトル:
著者名:Yuichi Saito, Akihito Harada, Miho Ushijima, Kaori Tanaka, Ryota Higuchi, Akemi Baba, Daisuke Murakami, Stephen Nutt, Takashi Nakagawa, Yasuyuki Ohkawa, Yoshihiro Baba
顿翱滨:10.1038/蝉41467-024-49375-虫
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