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Research Results 研究成果

生物が加工する透明ガラス流路

植物根や菌糸によるガラス内への3次元微细复雑构造の生成
工学研究院
津守 不二夫 教授
2024.09.24
研究成果Life & HealthMaterialsTechnology

ポイント

  • 植物や菌类を利用し、ガラス内に复雑3次元微细流路ネットワークを形成する新技术を开発
  • 生物の成长パターンを活用でき、従来技术では困难な最适化された流路构造を実现
  • 工学分野での応用に加え、土壌中の生体构造を3次元的に観察する新手法としても期待

概要

 従来、微细流路の製造には复雑な加工技术が必要であり、特に生体组织に见られるような复雑な3次元构造の再现が困难でした。また、土中で成长する植物の根や菌类の构造を详细に観察することも容易ではありませんでした。
 本研究は植物の根や菌类の菌糸を利用し、ガラス内に复雑な3次元微细流路ネットワークを形成する新しい製造技术を开発しました。この技术は、工学的応用だけでなく、土中の植物根や共生菌の3次元构造を観察する新しい方法としても注目されています。
 九州大学大学院工学研究院の津守不二夫教授、工学府修士学生(当时)の古贺哲郎氏、中岛祥太氏らの研究グループは、シリカナノ粒子を含む特殊な培地で植物や菌类を培养し、その成长パターンをガラス内の流路构造として転写する手法を开発しました。この手法により、主根から侧根、根毛、さらに植物根に共生する菌根菌の菌糸へと连続的につながる阶层的な流路构造の作製に成功しました。また、実际に送液実験を行いガラス内流路として机能することを実証しました。
 本研究成果は、マイクロリアクターや热交换器、组织工学などの工学分野での応用が期待されます。さらに、土中で3次元的な観察が困难な生体を固定し、微细な3次元构造を観察できる新しい方法としても有効であるため、植物根や菌糸ネットワークを构成する根圏の状态を固定化し详细観察を行う新たな研究手法として贡献することができます。
 本研究成果は2024年9月10日に科学誌「Scientific Reports」にオンライン掲載されました。

研究者からひとこと

本研究手法で得られたガラス構造サンプル(左:ライムギ、右:コウジカビ)。透明なガラスチップ内に植物や菌糸状の空洞がまるで生きているかのように形成されています。根毛状流路の太さは約10 μm、菌糸流路の太さは約2 μmです。このように微細かつ複雑な流路が得られています。

今回の方法で作製されたガラス构造を顕微镜で最初に覗き込んだとき、生きた植物とまったく変わらない见た目に息を饮みました。生体の作る复雑な构造を、硬く透明なガラスの中に空洞として再现しています。植物のような生体自体が材料を加工する新しいプロセスにご注目ください。

论文情报

掲載誌:Scientific Reports
タイトル:Replicating Biological 3D Root and Hyphal Networks in Transparent Glass Chips
著者名:Tetsuro Koga,Shota Nakashima and Fujio Tsumori
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