Research Results 研究成果
九州大学大学院理学研究院の町田正博准教授らの研究グループは、国立天文台および山口大学との共同研究により、南米チリにある础尝惭础望远镜を用いて、オリオン大星云に存在する「オリオン碍尝电波源滨」という生まれたばかりの赤ちゃん星の観测を行い、大きな星の诞生と成长について解明しました。星は様々な质量を持ちますが、この星は赤ちゃんの段阶で太阳の8倍以上の质量を持っており、将来大质量の星になることが分かります。このような大质量の星は宇宙の进化に大きな影响を及ぼすため大変重要なのですが、どのようにして诞生するのかは、よく分かっていませんでした。
今回、础尝惭础望远镜を用いてこれまでにない精度で観测を行ったところ、星の周りにはガスの円盘が存在しており、その円盘の上下方向にガスが喷水のように喷き出していることが分かりました。さらにガスは回転しながららせん状に喷き出していることも分かりました。これらの事実から、このような大质量星も太阳のような小さな星と同じメカニズムで诞生することが分かります。また、吹き出しているガスの回転が検出されたことは大変重要で、観测から「磁気远心力风」というメカニズムでガスが放出されることが分かりました。赤ちゃん星からのガスの放出现象は长年谜だったのですが、この研究によりその谜を解明することが出来ました。
本研究成果は、平成29年6月13日(火)午前0時(日本時間)に英国科学雑誌Nature Astronomyに掲載されました。詳細はhttps://alma-telescope.jp/news/press/orion-201706もご覧下さい。
町田准教授と理论的解釈を担当した大学院生の松下祐子さん
この図はALMA望遠鏡による実際の観測(Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Hirota et al.)中心の赤い部分は赤ちゃん星を取り囲む円盤、円盤の上下方向の青色はガスの噴出を示している。
この図は、左上の図の模式図(Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)。左上の図では分からないが、観測データから噴出されたガスが高速で回転していることが分かっている。
この结果は主に国立天文台、九州大学、山口大学の研究者によるものです。九州大学は観测结果の理论解釈として加わりましたが、理论やコンピュータシミュレーションで行っていた研究结果が本当に宇宙で起こっていることを确认出来、大変感动しました。