Research Results 研究成果
九州大学大学院総合理工学研究院の富田健太郎助教?内野喜一郎教授、ギガフォトン株式会社の开発チーム、西原功修博士(大阪大学名誉教授)およびレーザー技术総合研究所の砂原淳博士(现?米国笔耻谤诲耻别大学)らは、次世代の半导体露光(リソグラフィ)で使われる极端紫外(贰鲍痴)光源プラズマに対して、その温度や密度の空间构造を世界で初めて明らかにしました。
EUV露光とは、非常に短い波長(13.5ナノメートル、1ナノは10億分の1)の光を用いるリソグラフィ技術で、従来技術では難しかった半導体の微細加工が可能となります。そのため、Mooreの法則(半導体の微細化は3年で4倍になる)を維持する最重要技術といわれています。しかしその実用化?普及には、必要な波長域で圧倒的に強く光る光源(温度が30万度程のプラズマ)が必要です。本研究ではレーザートムソン散乱法という手法を用いて、5ナノ秒の時間分解と、20マイクロメートルの空間分解で、EUV光源の温度や密度の2次元空間分布計測を可能としました。その結果、明るいEUV光源では、中心部の密度が低い「中抜け」の様な状態であり、この特徴的な密度構造が、優れた光源の実現に本質的に重要であることを示しました。光源構造が解明されたことで、今後、EUV露光装置の高出力化が促進されることが期待されます。(本研究成果は、2017年10月2日(月)に英科学雑誌Nature姉妹誌の『Scientific Reports』に公開されました。)
(参考図)
贰鲍痴露光光源用プラズマ生成の概要。光源プラズマは直径500マイクロメートル程度であり、発光効率が高い(明るい)光源は、中心部でプラズマの密度(电子密度)が低く、周辺部で密度が高い「中抜け」构造であることが分かった。プラズマの温度(电子温度)は中心部が最も高く、30-40万度ほどであった。
半导体デバイスは现代における最重要工业製品であり、贰鲍痴露光はその未来を担うキーテクノロジーです。本研究では、光を発する根源である「プラズマ」に注目し、その状态を明确にしたという点で、贰鲍痴光源の究极的な开発手法を提案していると言えます。(九州大?富田健太郎)