Research Results 研究成果
「目上の人?目下の人」(英語では例えば high-status person, low-status person)という表現やオリンピック?パラリンピック競技大会などで表彰台の高いところには勝者が立つなどというように、私たちはしばしば社会的な優位性や地位(上下関係)を空間位置で表現します。しかし、このような優位性関係と空間的位置の結びつきはいつ、どのように獲得されるのでしょうか?たとえば、言語学習や社会的な経験の過程で獲得されるものなのでしょうか?
京都大学大学院教育学研究科 孟憲巍 外国人特別研究員(研究当時、現:同志社大学赤ちゃん学研究センター特任助教)、森口佑介 同准教授、九州大学大学院人間環境学研究院 橋彌和秀 准教授らのグループは、まだ言葉の話せない1歳の赤ちゃんが、高い场所に立つ者が低い场所に立つ者に負ける場面を見ると驚くような行動を示す実験結果から、乳児が空間的に上にいる者が社会的に優位であることを期待する可能性を示しました。このことは、優位性関係と空間的位置の結びつきが発達(人生)の初期に見られることと、特定の語彙や社会的経験に依存しない可能性を示唆します。
本研究成果は、2019年10月9日に国際学術誌「Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences」にオンライン掲載されました。
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