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Research Results 研究成果

日本人の近视性黄斑症の発症率は他のアジア圏と比较して高い:久山町研究

失明リスクに関する先駆的疫学知见 2020.06.30
研究成果Life & Health

 九州大学大学院医学研究院の园田康平教授(眼科学分野)、二宫利治教授(卫生?公众卫生学分野)、医学系学府博士课程4年の上田瑛美大学院生らの共同研究グループは、久山町研究の追跡调査の成绩を用いて、日本での近视性黄斑症の発症率が他のアジア圏よりも顕着に高率であり、その発症に加齢と眼球形态がそれぞれ独立して関连していることを明らかにしました。
 近视性黄斑症は、近视の重篤な合併症の一つであり、日本の失明原因の上位を占める疾患です。さらに、近年の世界规模の近视人口の増加により、近视性黄斑症の患者数が増加倾向にあることが公众卫生上重要な问题となっています。しかし、この疾患の発症率に加え、追跡调査による危険因子の検讨は世界でもなされていませんでした。
 本研究グループは、近视性黄斑症のない久山町住民2,164名を5年间追跡し、日本人の地域一般住民における近视性黄斑症の発症率およびその危険因子を検讨しました。その结果、近视性黄斑症の5年発症率は1.1%であり、他のアジア圏の既存报告(0.08%-0.12%)と比べ、顕着に高率でした。さらに、近视性黄斑症の発症には加齢と眼球が前后方向に伸长する眼球形态変化がそれぞれ独立して影响することを明らかにしました。
 本研究成果は、近视性黄斑症発症の実态把握と失明予防策を讲じる上で有益な情报であるとともに、いまだ明らかでない近视性黄斑症の発症机序を解明する一助となる重要な疫学的知见です。
この成果は2020年6月26日(金)(日本時間)付で米国雑誌「JAMA Ophthalmology」に掲載されました。

 日本人の地域一般住民における近视性黄斑症の5年累积発症率は1.1%でした。他のアジア人の报告より顕着に高率でした。また、男性1.4%、女性0.9%と男性が女性に比べて高い割合でしたが、统计学的有意差はみられませんでした。
 近视性黄斑症の病态に加齢が関与し、加齢以外にも眼球が前后方向に伸长する眼球形态変化が影响していることを明らかにしました。

研究者からひとこと

近年、世界规模で近视および近视性黄斑症は増加倾向にあり、今后近视性黄斑症における视覚障害に関する课题の重要性は増していくと考えられます。本研究により近视性黄斑症の発症の実态と机序に関わるエビデンスを世界に先駆けて発信できたことは大変意义のあることです。今后は更に研究を进めて、近视性黄斑症の発症?进行予测の开発を目指し、近视性黄斑症による失明リスクの启発に努めていきたいと考えています。(上田)

论文情报

,JAMA Ophthalmology,
10.1001/jamaophthalmol.2020.2211

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