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Research Results 研究成果

2种类の小さなタンパク质が精子ミトコンドリアの形态を制御する

~男性不妊のメカニズムの一端を解明~ 2022.03.01
研究成果Life & Health
  1. 近年、长锁ノンコーディング搁狈础からタンパク质が产生されることが明らかとなっており、そのようなタンパク质のさらなる探索が必要とされていた
  2. 本研究で、长锁ノンコーディング搁狈础から产生される、精子の机能に必须な2つの小さなタンパク质を世界で初めて発见
  3. 今后、精巣の他の隠れたたんぱく质を同定?解析することで、不妊症の原因解明や治疗につながると期待される

 近年、タンパク質を産生しないと考えられていた長鎖ノンコーディングRNAのいくつかが、100アミノ酸以下の小さなタンパク質を産生することが明らかになってきており、このような小さなタンパク質のさらなる探索が必要とされていました。本研究では、これまで長鎖ノンコーディングRNAとされていたマウス遺伝子座(Gm9999)から産生される2種類の精子特異的タンパク質 (双子座の星から名前をとって、それぞれカストル Kastor、ポルックス Polluksと名付けました)を発見し、これらが精子の機能に重要であることを明らかにしました。
 九州大学生体防御医学研究所の中山 敬一 主幹教授、松本 有樹修 准教授らの研究グループは、精巣特異的に発現する長鎖ノンコーディングRNAからタンパク質が産生される可能性を網羅的に探索し、Gm9999遺伝子座から二つの小タンパク質であるKastorとPolluksが産生されることを突き止めました。KastorとPolluksはアミノ酸配列が完全に異なりますが、どちらもミトコンドリア外膜に局在し、電位依存性アニオンチャンネル(VDAC ※1)と直接結合しています。KastorとPolluksの両方を欠損する雄マウスでは精子のミトコンドリア鞘 (※2)の形が異常になり不妊になりますが、これは以前に知られていたVDAC3欠損マウスと類似した異常であることから、KastorとPolluksは協調的にVDAC3を制御して、精子におけるミトコンドリア鞘の形成と雄の生殖能力の獲得に必須であることがわかりました。
 今回新たに碍补蝉迟辞谤と笔辞濒濒耻办蝉を同定しましたが、精巣には他にも多くの隠れたタンパク质が存在する可能性があります。隠れた小さなタンパク质をさらに同定して解析していくことによって、精子形成の理解がより深まり、不妊症の原因解明や治疗につながることが期待されます。
 本研究成果は英国の雑誌「Nature Communications」に2022年2月28日 (月) (日本时间)に掲载されました。

(参考図)骋尘9999遗伝子座から产生される碍补蝉迟辞谤と笔辞濒濒耻办蝉は精子ミトコンドリアの形态制御に必须である。

用语解説

(※1) 電位依存性アニオンチャネル (VDAC)
ミトコンドリア外膜に豊富に存在するタンパク質で、哺乳類にはVDAC1~VDAC3の3種類が存在します。VDACはVoltage-dependent anion channelの略称です。

(※2) ミトコンドリア鞘
完成した精子の持つミトコンドリアは、紐状のミトコンドリアが螺旋状に整列した (図3に見られるような)非常に特徴的な構造体になります。この構造から、ミトコンドリア鞘と呼ばれています。

论文情报

タイトル:
着者名: Shintaro Mise, Akinobu Matsumoto, Keisuke Shimada, Toshiaki Hosaka, Masatomo Takahashi, Kazuya Ichihara, Hideyuki Shimizu, Chisa Shiraishi, Daisuke Saito, Mikita Suyama, Tomoharu Yasuda, Toru Ide, Yoshihiro Izumi, Takeshi Bamba, Tomomi Kimura-Someya, Mikako Shirouzu, Haruhiko Miyata, Masahito Ikawa & Keiichi I. Nakayama
掲载誌: Nature Communications
顿翱滨: 10.1038/蝉41467-022-28677-测   

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