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Research Results 研究成果

水蒸気喷火発生のカギは地下水の特异な动きにあることを発见

水蒸気喷火から命を守る観测手法として期待 2022.08.29
研究成果Physics & Chemistry

ポイント

  • 活火山の地下から热水が上昇してくると、地下水が移动し、大地に电流が発生することを世界で初めて発见
  • 喷火时と非喷火(喷火未遂)时では地下水の动きが异なるため、地下水が水蒸気喷火の発生を制御していることを提案
  • 电流観测は今后、水蒸気喷火の発生予测の手法として期待される

概要

 水蒸気喷火はマグマが直接関与せず、热水により引き起こされる火山喷火ですが、その规模は小さく、火山浅部の热水により生じる现象なため、発生予测は一般に难しいと考えられてきました。一方、小规模な水蒸気喷火でも、火口周辺に多くの登山者がいれば、2014年の御岳山喷火灾害のように多くの人命が失われるため、水蒸気喷火予测は社会的に非常に重要な课题です。
 九州大学大学院理学研究院附属地震火山観測研究センターの相澤広記 准教授、松島健 教授、および東京大学地震研究所の村松弾 特任研究員、小山崇夫 助教、上嶋誠 教授、鹿児島大学の中尾茂 教授らの研究グループは、2018年4月19日に小規模な水蒸気噴火を起こした霧島硫黄山の地盤変動データ、地震データ、地電流データの解析を行い、水蒸気噴火は地下からの熱水上昇に対して地表付近の地下水が特異な動きをしたときのみ発生することを世界で初めて明らかにしました。
 今回の発见では、热水上昇はあるものの地下水の影响で喷火に至らなかった「喷火未遂」イベントが数多く存在することも明らかになり火山监视体制について再考が求められます。また本研究での観测手法、解析手法は、水蒸気喷火発生の数分前の直前予测に役立つことが期待されます。
 本研究成果は英国の雑誌「Communications Earth and Environment」に2022年8月22日(月)に掲載されました。

霧島硫黄山(水蒸気噴火から3週間後の2018年5月10日に撮影 水蒸気噴火地点には地下の熱水から供給された小規模な湯だまりが形成され、多量の噴気が発生している。)

论文情报

掲載誌:Communications Earth and Environment
タイトル:
著者名:Aizawa Koki, Muramatsu Dan, Matsushima Takeshi, Koyama Takao, Uyeshima Makoto, Nakao Shigeru
顿翱滨:10.1038/蝉43247-022-00515-5

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