Research Results 研究成果
ポイント
概要
コラーゲンなどの细胞外マトリックスタンパク质は、様々な臓器に适量存在し、臓器に弾?を与えます。ところが様々な病気の际には、コラーゲンなどの细胞外マトリックスタンパク质が臓器に过剰に产?されてしまいます。この様な状态は臓器の「线维化(※1)」と呼ばれ、臓器を硬くし、それらの病気をさらに悪化させます。线维化は、コロナウイルス感染后の肺线维症や?筋梗塞、肝硬変、慢性肾不全、难治性がん(膵臓がんなど)等、先进国の全死亡原因の约45%に関与します。しかしながら、これまで线维化に対する决定的な治疗薬は存在しません。従って、线维化の进?に重要なタンパク质を新たに同定し、そのタンパク质を狙った薬を开発することが期待されています。
九州?学?学院薬学研究院疾患制御学分野の仲?道雄准教授を中?とする研究グループ(徳岛?学先端酵素学研究所の?迫英尊教授、?治医科?学の?中亨教授、兵库医科?学の?村?昌树教授ら)は、この臓器の线维化を痴骋尝尝3(※2)というタンパク质が促进することを世界で初めて?出しました。
線維化は、コラーゲンなどを産?する筋線維芽細胞(※3)が、その周囲に形成させるコラーゲン線維の「硬さ」から物理的な?を受けることによって加速度的に進?します(図1)。研究グループは、この「硬さ」による筋線維芽細胞への物理的な?を介したコラーゲン産?の負のスパイラルをVGLL3 が促進することを世界で初めて?出しました。
本成果は、VGLL3 を標的とした線維化の新たな治療法の開発に繋がることが期待されます。
本研究成果は、2023年2?8?(?)19時(ロンドン時間2?8?10時)に英国科学雑誌 「Nature Communications」オンライン版に掲載されました。
図1:病気の臓器におけるコラーゲン过剰产?の负のスパイラル
用语解説
(※1) 線維化:コラーゲン等の細胞外マトリックスタンパク質が過剰に産?され、臓器が硬くなった状態。
(※2) VGLL3:Vestigial-like family member 3
(※3) 筋線維芽細胞:臓器が損傷した際に、コラーゲン等の細胞外マトリックスタンパク質を産?して、線維化を実?する細胞群。臓器が正常な際には存在せず、臓器の損傷時、炎症時に様々な細胞が分化する事により?じる。
论文情报
掲載誌:Nature Communications
タイトル:
著者名:Yuma Horii #, Shoichi Matsuda #, Chikashi Toyota, Takumi Morinaga, Takeo Nakaya, Soken Tsuchiya, Masaki Ohmuraya, Takanori Hironaka, Ryo Yoshiki, Kotaro Kasai, Yuto Yamauchi, Noburo Takizawa, Akiomi Nagasaka, Akira Tanaka, Hidetaka Kosako, and Michio Nakaya #: contributed equally to this work.
D O I :10.1038/s41467-023-36189-6
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